Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
「僕は金入れをなくしてしまった。正金の信用状と現金が少しばかり入れてあったんだが、後で捜しに遣らなきゃ、村へ出ても一寸困るから……パイプはそこにあるよ」
占めた、パイプがあれば、二日や三日は煙草を食っても生きてられる、早速近藤君を累わして、刻みをつめて貰って、一寸西洋の御大名みたいだが、片手では詰められないから、是も已むを得ない、マッチまで擦ってもらって、一口喫うと、昨日の騒ぎで逃げ出した魂が、やっと宿元へ戻ったように生々とする。見廻すとヘッスラーの蒼い顔が見える。
「ヘッスラー、どうだい、痛むか」
「否、じっとしてればそんなではござりましねえ」
「山を下りたらどうする、グリンデルワルトで療治するか」
「いいえ、ウンテルゼーエンのシュピタールが一番いいだでね、山から来る衆は、みんなそこに行かっしゃるだ、一日六フランだで、そう大してはかかりましねえ」
「近藤君どうする、ベルネルホーフに行くのも気が利かないし、第一不便だから、兎に角病院に入ろうか、山から来る衆がみんな行くんなら大丈夫だろう」
御医者の病院説は無論だが、ガイドもしきりにそう云うし、此の時はまだそう大した怪我だとは、御互いに気がつかないでいる時分だから、二人で散々相談して、それでは兎に角、一先ず病院に這入って見て、居心地がよければそこに定めるし、さもなければ