Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

私達のいつもソーファにもたれて、本や雑誌を読みながら、のんびりした朝日を浴びたテレースは、その建て物の右のはずれにある、瞰下ろすと、後庭の花園に、デイリヤやスウィートピーの咲き乱れたすぐむこうは、緑の草野とポプラの群で、遠く一列に行儀よく並んだ並木の蔭に、白い湯気を吐いて、折り折り、汽車と、そして、蒸気船は上甲板と黒い煙筒だけが、木がくれに静かに動いてゆくのが見える。そのむこうは、すぐアーベントベルクの絶壁になって、そことシンニゲプラッテの間には、ルーゲンパルクの真黒な樅の木立の後ろに、奥深く入り込んだ、うす暗いラウテルブルンネンのつき当りに、彼のユンクフラウの三山が仰がれる。

朝は、こうしてソーファの上に倚りかかってデジューネーを終った、十時の廻診に室に戻って来ると、留守の間にキチンと掃除が届いて、余り根気よく取り散らすのが、気の毒なくらい整然としている。昼になっても、真夏とは云え、雪を囲らした山国は、テレースに花の香をつたえて、微風はいつも気もちよく眠りをさそってくれる、覚めると、日は左の窓に藤の葉影をうつして、やがて御茶の時刻になる、そして日盛りに白いシャツ一つになって、大きな草刈鎌をふるう百姓達は、裏庭につづく七葉樹の蔭に集まって小休みをする、晩餐はかかさずテレースの卓を囲んで、斜に夕日を浴びた