Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
だが、余り病気の為にはならない、痰の検査をすると云うんで誘われるまま、階下の実験室に入り込んで、メチレンブラウとカルボールフクシンを取り出して、染色しては覘いて見たが、結核菌は見当らない、今度は隔離室にいる患者の痰を取り寄せて貰って、染めて見たりして暇をつぶす、顕微鏡は私のと同じ型のを用いていた、染料の汚点だらけで、テーブルの汚ないことは御話しにならない。
時々簡単な手術がある、そんな時は医者のエプロンと、護謨の手袋を拝借して、手術室に行って見物する、手術と云っても、盲腸炎やヘルニアの切開ぐらいだが、雨の日の退屈まぎれには、目先きが変って面白かった。そのせいかも知れないが、廊下を通ると患者が挨拶するし、庭に出ると、園丁が丁寧に口を利くんで、少しくすぐったい様な気持になる。チティススの木蔭には、国境よりまわされた兵士が集まって、退屈まぎれに豆をむく手つだいなどしている、私達は日の強い庭から、いつもここに入って来て世間話をした。
表の芝生に、覆い茂る林檎の樹は、鈴なりの果ものが、枝のしなうばかりに生って、草の上にもいくつとなく、もう色づいた木の実がころがって居る、私達は更る更る杖を振るって、その実でゴルフをやって遊び廻った、しかし三日目には、近藤君は片輪になった足の力を、やけに両手にこめて、貸しといた杖を逆