Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
アーベントグリューンが消える頃、丘のあちこちに建てられたホテルには一斉にイルミネイションが輝り初める、そして村の楽隊の Berner-Marsch が大通りの坂道を城の方へ動いて行く時分には、村中の男女は手に手に赤地に白十字の国旗を染めた提灯をかざして、光の一団となって、静かに湖の方へ下りてゆく。湖畔の家はいずれも窓を開け放して、昼をあざむく光線が奇麗に水面に反影する。空には満天の星が下界を祝福する如く輝いている、空もまた光の海だ。山岳は夜の帳をかかげて、下界の子の歓びにほほえむように、この群集を見下ろしておる。
ふと私達は山頂にいくつかの火光を見出した、星ではない、明らかに火だ。ファウルホルンの方角にはシンニゲ・プラッテの附近が際立って明るく、ニーセンの頂上にはアーク灯らしい光が天狼星のように光る。火の数はますます増して、思いがけない高所にもあちこち光り初める、モルゲンベルクホルンの山腹、シュトックホルンの絶壁の直下、遠く小さく恐らくブリュムリスアルプのホートュルリの小屋あたりと思われる地点にも火星のような光がまたたき出した。
私はこの山上の火を見て、山岳を中心として結び着いたスウィス人の温かい心を直視する如く感じた。