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Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

彼奴はアメリカ者に相違ない。レマンの岸の朝ぼらけを自動車で、しかも変てこな女づれで、ぶち壊す奴は外にあるまい、がその宿のドゥ・モン・ブロンは気に入った。

何にしても、スウィスの雪を踏むだけで、胸のうれしさは隠くしきれない。デジューネーの、銀の壺に盛られた琥珀の蜜も、煙草の名のハイライフも、紅のように頬を染めたあの北風も、今はなかなか忘れられない。こうして、八日は湖水のふちをうろうろして、水を見て、橋を見て、また真白な霧を見て、ただにこにこしている中に暮れてしまった。午後は柔かに日はさしたが、湖の靄は、夜明けの窓のとばりのように、夢をつつんで静かに眠った、水鳥の鳴く音をさびしくつたえて。

次の日も靄が深く、小雨まじりにしっとりして、水の都は名を知られたと云う、紀元の空をそのままに、雪路なれば足音も響かず、静かに明けてまた暮れてゆく。

ミュゼーにさすが山の画は多い、小路のそこここに、噴水の雪に埋れているのもうれしかった。何だかしんみりして、月夜ではないかと橋まで出たが、雪明りのどことなくうっすらして、ローンの落ち口の水底は、昼よりかえって白く光っている。