Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
少年はただ笑った。
それから私たちもペチカの前へ引き帰すと、娘のナタアシャも蹤いて来た。馴鹿のような軽い身振りだ。
「君の名は何というの。」
「イワン。」
「そうか、イワン、いい名だね。」と私は微笑した。
いかにも露助らしい名だと思えた。イワンの馬鹿ということがある。だが、この少年なかなか敏捷い。
「君、ここにイワンと書いてくれないか。」
誰かがそのノートを突き出した、鉛筆といっしょに。少年は奪うように手に取ると、窓際へ寄って、何か走り書きしたと思うと、今度は急に擲きつけるような恰好をした。
「ナタアシャ、君もひとつ。」
ナタアシャはほっほと笑った。そうして頤を突き出すと、叱るような眼をした。それでも面白そうに鉛筆の心を嘗めた。金髪がふさふさと揺れた。
「小父さん。」とまたMがやると、
「ジャメジャメ。」で、手を振った。
「じゃあ、撮らしてくれないか。」
爺さん、いよいよ赤い顔をして、また首根っこを叩いた。そうしてイワンとナタアシャと自分とを指ざした。
「じゃあ、みんなでいいじゃないか。」
「ジャメジャメ。」で、また尻込みしてしまう。
「じゃあ、家を映そう。」と私たちが外へ出ると、今度は硝子窓を開けて、内からさも映してもらいたそうに赤いにこにこ面で差し覗くのだ。