Japanische Klassiker mit Furigana
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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
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稲日野も行き過ぎがてに思へれば心恋しき可古の島見ゆ 〔巻三・二五三〕 柿本人麿
人麿作、これも八首中の一つである。稲日野は印南野とも云い、播磨の印南郡の東部即ち加古川流域の平野と加古・明石三郡にわたる地域をさして云っていたようである。約めていえば、稲日野は加古川の東方にも西方にも亙っていた平野と解釈していい。可古島は現在の高砂町あたりだろうと云われている。島でなくて埼でも島と云ったことは、伊良虞の島の条下で説明し、また後に出て来る、倭島の条下でも明かである。加古は今は加古郡だが、もとは(明治二十二年迄)印南郡であった。
一首の意は、広々とした稲日野近くの海を航していると、舟行が捗々しくなく、種々ものおもいしていたが、ようやくにして恋しい加古の島が見え出した、というので、西から東へ向って航している趣の歌である。
「稲日野も」の「も」は、「足引のみ山も清に落ちたぎつ」(巻六・九二〇)、「筑波根の岩もとどろに落つるみづ」(巻十四・三三九二)などの「も」の如く、軽く取っていいだろう。「過ぎがてに」は、舟行が遅くて、広々した稲日野の辺を中々通過しないというので、舟はなるべく岸近く漕ぐから、稲日野が見えている趣なのである。