Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
○
吾が欲りし野島は見せつ底ふかき阿胡根の浦の珠ぞ拾はぬ 〔巻一・一二〕 中皇命
前の続きで、中皇命の御歌の第三首である。野島は紀伊の日高郡日高川の下流に名田村大字野島があり、阿胡根の浦はその海岸である。珠は美しい貝又は小石。中には真珠も含んで居る。「紀のくにの浜に寄るとふ、鰒珠ひりはむといひて」(巻十三・三三一八)は真珠である。
一首の意は、わたくしの希っていた野島の海浜の景色はもう見せていただきました。けれど、底の深い阿胡根浦の珠はいまだ拾いませぬ、というので、うちに此処深海の真珠が欲しいものでございますという意も含まっている。
「野島は見せつ」は自分が人に見せたように聞こえるが、此処は見せて頂いたの意で、散文なら、「君が吾に野島をば見せつ」という具合になる。この歌も若い女性の口吻で、純真澄み透るほどな快いひびきを持っている。そして一首は常識的な平板に陥らず、末世人が舌不足と難ずる如き渋みと厚みとがあって、軽薄ならざるところに古調の尊さが存じている。これがあえて此種の韻文のみでなく、普通の談話にもこういう尊い香気があったものであろうか。