Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふれんぞくさつじんじけん

不連続殺人事件

坂口 安吾

Lesen Sie 不連続殺人事件 (ふれんぞくさつじんじけん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.047 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

心底を見せれば女はみんなこうであるが、我々男はめったに女の心底にふれる機会にめぐまれていないだけかも知れない。

一馬は案外にも立場に窮したような困ったところはミジンもなく、落付きはらっていて、

「加代子はもうからだはいいのかい。先日まで微熱がつづいたそうじゃないか。こんな事件つづきで見舞いもゆっくりできなかったが、近ごろは海老塚さんの薬までイヤがって飲まないそうじゃないか。神経質すぎちゃ、いけないね。お医者さんのお薬はのまなければいけないよ」

加代子さんは淋しそうな顔をあげて、

「ええ、でも、私、長生きしようとは思わないのですもの」

「それだよ。それがいけないことなんだ。ねえ、京子さん、そうでしょう」

「ええ、ほんとに、早く死ぬなんて、つまらないことですわ。明るい希望をおもちになると、病気なんか、すぐ治るにきまってますわ」

独断そのものである。いともカンタンに病気が治るようなことを言うから、こうアッサリ言いきられても、当の病人はついて行かれぬ気持であろう。

一馬は私に向き直って、

「海老塚医師は、然し、ちかごろ、困ったものだね。例の論語研究会の奥田利根吉郎という先生が海老塚さんの紹介状を持参して先刻やってきたのだけれど、僕のところの客人方に一度論語を講じたい、自分の方から出張するが、いつが都合がよろしいか、という