Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
レディ・ダフ・ゴルドンは語る。「ボウトは緑色のライトを点けた先頭の一隻に従って、何時の間にか一列縦隊を作っていました。水平線上に救助船が現れたことは、先のボウトから順々に歓声が伝わって来て判ったのでした。カルパセアも周章てていたのでしょうが、その救助の仕方は極めて荒っぽいものでした。海は静かでしたが、何しろ近くに氷山があるので非道い寒さですし、それに高い舷側から小さな板に綱をつけて下ろして、一人ずつそれに掴まって引っ張り上げられるのですから、私など恐怖と寒気と眩暈のために、引揚げの途中で死にそうでした」
この救命艇からカルパセア号へ引き上げる時、四人の人が誤まって墜落溺死した。
一週間程して、三つの屍骸を載せたボウトが発見された。その内一人は、鎖で足を座板に結び付けられていた。三人は飢えと渇きのために死んだのだ。一人は苦しさの余り海水を飲もうとしたか、或いは、発狂して海へ飛び込もうとして、他の二人が足を結びつけたものであろう。そういう危険を予知して、自分でしたのかも知れない。三人の口中に浮標用のコルクの断片や帆布の切れが噛み砕かれてあった。餓死の苦しみに際して手当り次第に口に入れたに相違ない。