Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
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何んな男かまだよく判らないが、兎に角、決して吝嗇ではないという、甚だ好ましい第一印象をエンマ・ダッシュは受けたのだ。
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そればかりではなく、日曜日で店が閉まっているのに、宝石屋を叩いて無理に開けさせようとさえした。善は急げ――結婚指輪を買おうというのだ。この、船乗りらしい気の早さには、エンマも魔誤ついて、まあ! ほんとに仕様のない方!――といったような、好意に満ちた微笑を禁じ得なかったろう。が、謝るようにして、それだけは許して貰った。
「幾ら何でも、そんなに手っ取り早くは決められませんわ。あたくし、お母さんに相談しなければなりませんもの」
エンマはうつむいて、靴の先で舗道の敷石へのの字を書いた――と、これは僕が心描するのである。
しかし、要するに、女が結婚を申込まれた時の作法に従って、公式通りに、「お母さんに相談」を持出しただけのことで、そのとき既に彼女の心は諾に一決していた。ことによると、これこそ、あの待ちに待っていた一生に一度の機会かも知れないのだ。そうだ。たぶん最後の機会だろう。若く装って、そして若い気持ちでいても、こころの底で彼女は、正直のところ、「棚に載っかって埃りをかぶろうとしている老嬢」