Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme

Aozora Bunko

名前に背かない、頼母しいガリバルジ君である。意気揚々とホテル・アムステルダムに進出して、三階十四号室に陣取る。これが月曜日のことで、それから毎日、昼二回、夕方一度、苦労性のモウパア警部は勇士の部屋へ電話を掛けて、

「アロウ、ムッシュウ・ガリバルジ? 何うですな、変った事はありませんかな?」

「メルスイ・ビヤン。平穏無事です」ガリバルジ君は、暢気な声だ。

「マダムは三度三度、素晴らしい御馳走をして呉れて、おまけに、すてきもない古い葡萄酒がふんだんにあります。おかげで、肥りましたよ」

全く、何ごともなく日が経って行って、女将セレスティンは、安堵の胸を撫で下ろす。三、四時間おきに、マダムの心尽しの、何かしら変った食べ物や飲みものなどが、十四号室のガリバルジ君へ届けられる。本をしこたま持込んで来て、ガリバルジは、一日いっぱい読書しているのだ。朝のうち、女中が部屋を掃除する間に、ロウモン街へ散歩に出る。帰途には必ず警察へ立ち寄って、モウパア警部に会う。もう神秘は解かれたも同じようなものだと言って、ガリバルジは大得意に談笑していた。

すると、明日は土曜日である。