Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
「それは違う、筋が違う」蝶太夫はけんめいに喉で云った、「腕を折ったのは私じゃあない、そこにいる六だ、私はただ金をやっただけで、腕を折ったのは六助だ」
六助が笑いだした、「とうとう云やあがった、そうぬかすだろうと思ってたんだ」
六助は身軽に立って来た。
「仲さん、替ろう」と六助が云った、「おれも自分で蒔いた種は自分で刈りてえや、おまえの腕を折ったんだから、こいつの腕もおれがやることにしよう、どいてくれ」
「頼む、おりうさん」と蝶太夫は絞り出すような声で云った、「こいつは本当にやりかねない、どうかなんとかして下さい、おりうさん、頼みます」
仲次郎が手を放して立ち、蝶太夫がはね起きた。六助は相手を起きあがらせておいて、それからすばやく足を払い、前へのめるところを押し伏せて、その背中へ乗りかかり、右の腕をうしろへ捻じあげた。
「おりうさん」と蝶太夫は叫んだ。
「さあ、いいか蝶の字」六助は捻じあげた腕の付け根へ左手を当て、右手をじりじり絞った、「おれは仲さんの腕も、こうやって」
蝶太夫が「き」と悲鳴をあげた。
「もういいわ」とおりうが云った、「そのくらいやれば気が済んだでしょう、放してあげてちょうだい」