Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
今日こそおみのをものにしようと考え、そのために飲みだした酒が、逆に彼の力を奪った。酔っていなければ逃がしはしない、必ずものにしたところだ。そう思うと、おみのにも自分にも肚立たしくなり、酔いに任せて饒舌になった。
「あの娘は魔ものだ」と彼は云った、「初めて会ったのは半年まえ、いまが十月だから、五月のことだろう、小間使を伴れて診察を頼みに来た、――私は京橋で医者をしているんだがね」
「おつむを拝見すればわかりますわ」
「注いでくれ」彼は椀の蓋をさしだした、「胸が痛むから診てくれと云って、こっちがなにも云わないうちに、くるっと、いさましく肌ぬぎになった、双肌ぬぎだ、いやその美しいこと、女の肌は見馴れているが、あんなに美しい胸を見たのは初めてだ」
俗にめくら乳という、乳首の出ていない、薄い樺色の乳暈だけの、小さいけれど固く張りきった乳房から、きめのこまかな、清絹のように青みを帯びた白いなめらかな肌、まるく小さな肩や、くびれている細腰などを、得石は昂奮した口ぶりで、手まねをしながら詳しく語った。
「はい、お口のまわり」おときはふところ紙を出して彼に渡した、「およだが出てますよ」