Japanische Klassiker mit Furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme
「肝心な話だけ聞こう」
「済みません」おはなはおじぎをした、「今日はこのうちもひまなもんですから、よかったら二人で寄席へでもゆくがいいって、おかみさんが云ってくれたもんですから、それじゃあそうさせて頂こうって、妹が着替えにかかったんです」
「よけいなことはぬきだ」
「よけいなことじゃありません、ここが肝心なところなんです」おはなはむっとしたようにやり返した、「それとも妹が着替えをしちゃあいけないんですか」
千之助はおとなしく兜をぬいだ、「着替えさせよう、続けてくれ」
「済みませんが邪魔をしないで下さいな」とおはなは云った、「口を出されるとあたし頭がこんがらがっちゃうんですから、――どこまで話したんですかしら、ああそう、妹が着替えにかかったところでしたね」
「そうだ」と千之助は辛抱づよく頷いた。
「それであたし女中部屋から出て、お新ちゃんていう人と、――妹の仲良しでやっぱりこのうちの女中なんですけれど、その人と廊下で立ち話をしていたんです、お新ちゃんはあのとおり芝居きちがいですから、――済みませんが口を出さないで下さいまし」
千之助は頷いた。
「今月の中村座の狂言が面白いって、夢中になって話しだしたんです、そのうちに」