Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

三

源次郎には妻もあり三人の子もある。「丸梅」の店は繁昌しているし、勝手もとも裕福である。これでは主婦になる望みなどとうていないし、黙っていれば慰みものになるだけであろう。そう思ったので、源次郎に今後の身の保証を求めた。

――ああいいとも、私もそのつもりだ。

源次郎はそう云った。いますぐといってもおまえは年が若すぎる、二、三年もしたら家を持たせ、袋物の店を出してやろう。私は女房よりおまえのほうがすきだから、そうなったらこっちは店の者に任せ、おまえといっしょにくらすことにする、そう約束をしてくれた。それは嘘ではなかった。十七の年にみごもると、堀江三丁目の横丁に家を借り、ばあやを一人雇って気楽にくらすようになった。

一年あまりは手当も充分にあり、着物や頭の物なども買ってくれたが、そのうちにだんだん足が遠くなり、手当も減るばかりで、去年の秋、二番めの子をみごもったときは、おれの子ではない、などと云いだした。おれは月に一度か二た月に一度ぐらいしか来ない。そのあいだおまえがなにをしていたか、こっちにはちゃんとわかっている。その子の親はほかにある、とはっきり云った。