Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

「まだよ、もう一つ訊くことがあるの」おしのは彼の手を押しやった、「あなたその人に娘を産ませたっていうけれど、ほんと」

「いったい誰からそんなことを聞いたんだ」

「嘘か本当か知りたいの、おそのという人の産んだ娘の父親はあなただって、本当にそうなの」

「昔のことだって云ってるじゃないか」

「嘘じゃあないのね」とおしのはひそめた声で、念を押すように云った、「その娘があなたの子だっていうこと、本当なのね」

「本当だ」と彼は頷いた、「もう正直に本当だと云ってもいいだろう、おそのも娘も死んじまったからね」

「亀戸の寮で、焼け死んだんですって」

「そんなことまで知ってるのか」

「あなたの知らないことも知ってるわ」おしのは頬笑んだ、「寮の焼け跡から三人の骨が出たわね、一人は父親の喜兵衛、一人は妻のおその、もう一つ小さな骨は娘のおしの、――そういうことだったでしょ」

源次郎はじっとおしのをみつめた。

「ところがこのあいだ、町方の青木千之助という与力がしらべたんですって」とおしのはゆっくり続けた、「不審なことがあるから、墓を掘り返して三人の遺骨をしらべ、蘭方医に鑑定させてみたんですって、――すると、御夫婦のほうは間違いなかったけれど、娘のほうは違うんですって、男と女は腰の骨でわかる、その骨は娘のものではなく、紛れもない十六、七の男の骨だった