Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

Lesen Sie 五瓣の椿 (ごべんのつばき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.721 Zeichen · 296 Bildschirme

Aozora Bunko

娘が、磔か火焙りになったということ、世間の人たちがそれを知っていることで、死ぬまで苦しまなければならないのよ」

「嘘だ、そんなことができるものか」

「見ていればわかるわ」と云って、おしのは風呂敷包みを持って立ちあがった、「――お裁きは長くはかからないでしょう、十日もすればきっと江戸じゅうの評判になる筈よ」

「そんなことはさせないぞ」源次郎も立ちあがった、寝衣の前がだらしなくはだかり、濃い毛の生えた脛がまるだしになった、「――おまえが本当におしのなら、おれはそんなふうに死なせはしない、おれの罪は罪としても、おまえを死なせるわけにはいかない、とにかくもういちど坐って相談をしよう」

「どんな相談があって」

「生きることだ」と彼はけんめいな眼つきで云った、「おまえは若いし、そんなにきれいだ、自首さえしなければなにもわからずに済むだろう、罪ほろぼしにおれがどんなことでもする、頼むからおれの云うことを聞いてくれ」

「それが苦しみの始まりね」おしのは低く笑った、「――お仕置にならなくっても、あたしは長くは生きられないのよ、この躯はお父つぁんと同じ病気で、もう二度も血を吐いたんですから」