Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
第四八課 女のヒステリー
第四八課 女のヒステリー
世間一般に言いならされたいわゆる「女のヒステリー」というものは、医学上でいうヒステリー症とは大変な相違があるようです。医学上のヒステリーは一種の精神病を指し、それは女ばかりでなく男でも子供でも起るそうです。その患者は時折癲癇のようにひっくりかえり、不断でも体の方々が痺れたりするそうです。しかし、私がここで述べますのは、世間でよく人々が悪口に言う「あの女はヒステリーだよ」とか、夫が妻に「お前はヒステリーだ」と言う、あのヒステリーのことです。
いわゆる女のヒステリーは、愛欲の変形であります。何ものをも惜しみ奪わんとする情欲と、気に入らぬものをことごとく排斥せんとする感情の入り交ったものです。他人の功績を嫉み、自分がそれに及ばぬのを口惜しがり、人々に愛されぬのを不満に思い、常に自分が悪評され、世間から除外されるのを気づかい、一日一刻たりとも気を落ち付けて過すことが出来なくなります。
このヒステリーは、大抵結婚した女に多いのであります。それは、余り世間の荒い波風に当らなかったか弱い、あるいは生一本な処女が、家庭を持ってその主婦となり、周囲の煩瑣な事件や境遇にひどくいたぶられた時、それに呼応して起った心内の愛欲苦悶が素直にはけ口を得ずして鬱屈し、これに加えて肉体的の過労や病気がますますヒステリー