Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
そこで戦争の中頃からは一面に塹壕を掘って辛抱くらべを始めました。そしてじりじりと最後の勝利を得ることにしました。この戦法はその際是非とも必要だったのでした。それより他に仕方がなかったのでした。しかも塹壕戦は長く続くので、地中の薄汚ない坑道の中で、地層だけを見詰めて歳月を送っては、人間の生活だかもぐらもちの生活だか判らないという惨めさに、もう我慢出来なくなったり、またいつ先方から襲撃されるか、爆弾や、毒瓦斯弾が飛んで来るのか解らないという不安状態、それに加えて、こちらから少しも飛びかかって行けないという焦れったさや口惜しさまでが入り混って、とうとう、小心者は戦争恐怖症という狂人になってしまいました。それで塹壕中でのいろいろの慰安とか、士気を鼓舞する手段が講ぜられました。芝居だとか、活動、ダンス、トランプ……等。そして常に目指す敵の動静を見張りながら、味方のこれに対する構えを変化させて、持久戦をつづけたのでした。
私は、これからの世の中は、何事によらず、ますますこの塹壕戦の仕方と同じ仕方でやって行かなければならないと信じます。何故ならば、人口は殖える一方人智は進む一方ですから、その烈しい競争場裡において、ちょっとやそっとの知識や経験手腕では、直ぐと押しのけられたり、蹴落されるのであります。