Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
秀吉が利休の茶室の門に辿り着いたときは戦場へ臨んだかのような緊張さえ覚えました。そして一人の小姓を通知に側口へ廻らせたあと、折柄雪も止んで、利休の有名な瀟洒たる庭園も満目白皚々たる下に埋もれて単なる綿の取り散らしにしか過ぎない光景を、門越しに眺めて秀吉はほくそ笑みました。
「これならさすがの名人も風雅な款待が出来ないだろう」
一方利休は、もうちゃんと起きていました。起きているどころか、炉に炭をつぎ入れ、新しい水の釜をかけて、湯の沸く暇を、炉の前に端座して心を練っておりました。
彼は小姓の通知を受けると、普通の答えをして、扇一本取出して、腰に挟んで出迎えに出ました。利休の様子には少しも周章えた様子は見えません。ただ朝明けの雪を楽しみつつ客を迎える温恭な気持ちでありました。その気配が秀吉の心に浸みました。秀吉の方がすこし恥かしくなったのです。
「ようこそ、御入来下さいました。何はなくとも雪中の粗茶一服。さあ、どうぞ、これからおいでなされませ」
利休は、腰から扇子を抜き取り、要の方を先にして右手に持ちかえました。やや屈みながら、歩き幅の間隔ずつに、扇の要口を庭の面の雪中へ突込むのであります。