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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶっきょうじんせいとくほん

仏教人生読本

岡本 かの子

Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme

Aozora Bunko

第七〇課 知られざる傑作

第七〇課 知られざる傑作

フランス十九世紀の文豪、バルザック(西暦一七九九年に生れ、一八五〇年に歿す)の有名な作品の中の一つに、「知られざる傑作」というのがあります。

「一人の独身の絵画の老大家が巴里に住んでいました。十年近くもかかって大作を描き上げているという評判が巴里の画に関係する人々の間に弘がっていました。しかし老大家は、彼の新工夫の描き方を、仲間に盗まれるのを惧れて、絶対に人に見せませんでした。老大家の描こうと企てているのは、この世の中で最も美しい女性、それを生きたもの同様な溌剌さで画布の上に現そうとするのでした。

絵に熱心な若い画家がありました。どうかして老大家の作を見たくて堪りません。しかしその望みは全く絶望でした。老大家は相変らず頑固に画室の扉を押えて、中へ入れないのでした。若い画家に、世にも美しい一人の恋人がありました。彼女は若い画家の天分を認めもし、またその人物をも愛していました。ふと、その画家の恋人に老大家が眼をつけます。モデルに欲しいというのです。それもただのモデルではなく、自分の描きつつある女の像と、その娘と、どっちが美しいか見較べようという下心があるのでした。