Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぶっきょうじんせいとくほん

仏教人生読本

岡本 かの子

Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme

Aozora Bunko

ます。この理を、すこし拡大して譬えによって述べて見ますと、向うに港を出帆して行く汽船があります。岸で二人の人が見ております。一人の人は船暈する人ですが、一人の人は船に達者の人であります。そこで船に達者な人が「気持ちよさそうな船だ。乗って行きたい」と言ったところで、船暈する人がその気持ちに共鳴出来るわけはありません。互いの経験にもともと相違があるからであります。

人間の概念で一番共通で確実なものは、「数」だとされています。故に精密な物理学の理論などは、専ら数学で表されるのであります。しかし、この「数」とても実際、世間で扱われる場合には、感じ方にいろいろ相違が出来て来るのであります。「ちょっと一円貸して下さい」と言う人にとっては、その一円は簡単手軽な一円であるかも知れませんが、この一円を、ざっと一週間分の電車往復賃の予算に見込んでいる人にとっては重大貴重な一円であります。そこで「なんだ一円ぐらい」「一円なんて、とてもとても」という押問答が起ります。これは互いの生活状態による「数」に対する見解の相違であります。

これは、極端に現した二例であって、およそ普通の場合には、汽船なら汽船という概念があり、一円には一円という概念があって人間の間に行き亘り、大掴みの感じの上で了解が取引されております。