Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶっきょうじんせいとくほん
仏教人生読本
岡本 かの子
Lesen Sie 仏教人生読本 (ぶっきょうじんせいとくほん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.886 Zeichen · 246 Bildschirme
その者達をいちいち憎んでいては、第一自分の気持ちが苦しくてやり切れないでしょう。一歩利己的感情から退いて理解の上に停って見たらどうでしょう。よしんば自分の立場から見て都合の悪い存在者でも、その者にはまたその者の立場があり理由があって生存していることが判るでしょう。
といっても利己主義や、憎みはやはり人情の本能ですから、なかなか全部たちどころに捨て切れるものではありません。憎みは憎みとして胸に持ちつつ、少しでも理解の掌でその胸を撫でながらとにかく自分の立場を保って行くことです。すると、ただの憎みの結果とはよほど違う余裕をもってその対象者にも好感を与え、それがやがて、自分の立場を保つ立派な砦となるかも知れない。ただの憎みは獣の憎みです。相手に牙を剥かせるばかりです。却ってますます身を危地におとしいれるだけです。
この憎みにもまた変態があります。たとえば、手におえないやくざ息子などあります。母親はそのやくざに欺され欺されして常にむだ使いのお金などねだり取られます。それにも拘らず、孝行な他の賢い子より、そのやくざで嘘つきな息子の方が可愛ゆくて憎もうとしても憎めない。