Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かめんのきょうふおう

仮面の恐怖王/電人M

江戸川 乱歩

Lesen Sie 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 153.590 Zeichen · 308 Bildschirme

Aozora Bunko

トランクの中で、いくらさけんでも外には聞こえません。だれもたすけてくれるものはないのです。

自動車はどこまでも、走りつづけています。一時間もたったでしょうか。そのころから、きゅうに道がわるくなってきました。ゴトンゴトンとゆれるので、ふたりは両手で頭をかかえるようにしました。そうでないと、鉄板に頭をぶちつけるのです。

道がデコボコなばかりでなく、やがて、のぼりの坂道にさしかかったらしく、自動車の速度がにぶくなりました。

どこかの山道に近づいたのではないでしょうか。もう美術商の前を出発してから、二時間もたっています。

それから、また三十分も走ったころ、やっと車はとまりました。いよいよ、二十面相のすみかについたのでしょうか。

しばらくすると、カチッと、かぎの音が聞こえ、トランクのふたがひらかれました。こわごわ、そとをのぞいてみると、黒マントの男ではなくて、二十面相の部下らしい、あらくれ男がふたり、目をひからせて立っていました。

外はもう、まっくらです。つめたい風がサーッと、ふきこんできました。山のにおいです。森のにおいです。ここは東京に近い、どこかの山の中にちがいないのです。