Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
そして祖母の書いた字の真似を指先でやって見た。どうやら似せ字がかけるという自信がついたとき、私は手早くその米を五升桝に掬って袋に入れた。そして、袋を俵の陰に隠しておいて米の面をもと通りに均らした。それからかねて稽古しておいた「寿」の字を祖母の手つきに似せて指で書きつけた。
いよいよ市場に出かける時が来た。辺りに人のいないのを見届けた時、私は、かねて隠してあった袋を裏門から持ち出した。
袋は無論羽織の下に隠して持った。その上、うちの者に見つからぬようにと、同じく市場に向って行く鮮人達の間に混って、こそこそと市場の人込みの中へもぐり込んだ。
市場は例によって賑やかだった。人々は店から店へと渡り歩いていた。店にはいつもの売り手がいつもの場所に陣取っていた。私はもう、どこに何が売られているかを大抵は暗で覚えている。どこで何が取り引きされるかも見知っている。だが、私の持って来た米はどう処分したらいいか。早く金に替えたい。でないと、知った人に怪しまれるだろう。叔父が時たま市場の方に廻って来ることがあるから、それに見つかっては大変だ。米市へ持って行こうか。でも、余りにこれは分量が少なすぎる。