Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
どの家もどの家もこんな粉しゃぼんなんか買ってくれそうもなく思えたり、這入って行ってけんつく喰わされたらどうしようと考えたりなんかして、どうしても思い切って這入って行くことができなかった。そうして、一日じゅうをただぶらぶら歩いて、脚を棒のようにすりへらすばかりであった。
こんな弱いことでどうするのか、と自分を叱ってみたり、要するにこれはまだ虚栄心を取り去り得ないからだと自分で自分を励ましてみたりなんかしてみたが、それも何らの効がなかった。夕方になって仕方がなく、死ぬる思いをして、やっとのことで百軒に一軒ぐらいの戸を叩いてはみても大抵はただ断られるばかりであった。
ある暑い日の昼下りのことだった。私は例の汚い縞木綿の風呂敷包を片手に、傘もささずに、焼けつく日光に直射されながら例の通り、ただぶらぶらと野良犬のように、根津の八重垣町あたりを歩いていた。
この四、五日ほとんど商いという商いがなく、従って食事をとるお金もなくなっていたので、私はもう空腹でぺしゃんこになっていた。それで、暑さと空腹とのためにふらふらと眩暈さえしそうであった。
私はもう、極りがわるいの、買ってくれそうにないのと、そんな贅沢な考えや、弱気におしひしがれている時ではなかった。