Japanische Klassiker mit Furigana
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なにがわたしをこうさせたか
何が私をこうさせたか
金子 ふみ子
Lesen Sie 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 191.571 Zeichen · 383 Bildschirme
けれどそれに対しても伊藤や秋原は、ただ信じろ、信じさえすればわかると言った。なるほど、私にはそれらが信じられないにもかかわらず、私はただ伊藤に信頼して教会にも行けば、祈りもし、また、他人に奉仕するために朝早く起きて、黙って宿の便所の掃除までもした。――それも、伊藤がそうしろと言ったからで……。
こうして私は、神に仕え、人に奉仕した。けれど私はその酬いを得なかった。私はもう三日も食べないでいた。そこでまた新しい職業を求めてまわったけれど、その職業すらも与えられなかった。しかもそれのみではない。私の払ってあった間代がきれたというので、家主から請求にあった。無論私には払えなかった。
私はとうとう、いつか秋原さんから話のあった女中奉公に出ようと決心した。そして、売れ残った自分の荷物をまとめてその家を出た。
出るとき私は、荷物を玄関に置いて「どうも永い間御世話になりました」と、叮嚀に頭を下げて別れの挨拶をした。すると、玄関わきの部屋で夫と二人で食事をしていたおかみさんが、持っていた箸もおかずに、ちょっと顔を振りむけたままで、
「いいえ、どう致しまして、さよなら」