Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりあういのち
光り合ういのち
倉田 百三
Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme
彼は私とキッスがしたかったのではなかろうか。それだのに私は田舎者じみた、おずおずした態度で彼を迎えたのだ。何の美しい、感激的な言葉も吐かなかったし、お話しにならない拙い、不細工なことで彼を帰してしまったのだ。私は彼の詩情の友、――愛人たる資質を失ったような気がした。
そうまで思いつめなくてもよさそうなものだが、私はそれ以来酒井君に圧迫を感じだした。向こうが私よりも文化が高い気がしだした。そして前のようにスヰートに振舞えなくなった。これは私のひがみであったが、向こうへも響かずにはいなかった。二人の間から幸福があせて行った。私が自ら恥じて身を引いたかたちであったが、私の矜りと負けじだましいとは深く傷ついていた。
そう思いだすと、酒井君の英語の発音は私と較べ垢抜けしてるような気がし、彼がテニスの鋭いサーヴをする仕方も、及び難い洗練がある気がした。そしてそれらは学校の教科書の勉強からは得られない別のある力だと思われた。その力はどうして得たらいいのか。それはどこから来るのか。
それが私の問題になった。二年修業の時私は依然として首席ではあったが、もうそれは私に前のような喜びを与えなかった。