Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

Lesen Sie 光り合ういのち (ひかりあういのち) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.439 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

たとえば家には祖母、父にとっては養母がいたが、老人を尊敬するという点に於て、もし子供たちにでも不敬な振舞いがあれば父は厳しく叱責した。

又ある時長女の豊子姉の婿養子と、姉妹たち(従兄弟たち)が皆集まって、正月の歌かるたをして遊んでいたことがあった。私が何心なく、

「このうちで他人はこの兄さんだけだ」

と婿養子を指さした。

すると父は顔を赧らめて、恐ろしい権幕で私を叱った。

「そんな事を言うということはないぞ」

私はいつも叱ったことの無い父なのでへんに恐かった。何か大変悪い事を言ったのだと思った。

父は一生を通じて一度も私を打ったことがなかった。が或る時私はふと金槌で父の頭を打ったことがあった。

父は店用の帳面の表紙にする堅紙を張物板にはってこしらえていた。私は釘を抜く金槌を手に持って、父の紙を張るのを見ていたが、何と思ったものか父の薄くなった頭をポンと槌でたたいた。

父は驚いたが、次の瞬間には恐れと怒りとで叫んだ。

「この子は親を金槌でたたいたぞ」

姉たちがとんで出てあやまってくれた。私は悲しく、恐しく、泣きじゃくった。

父が叱る時はいつでもこうした道徳的、感情的な怒りの場合に限っていた。