Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme

Aozora Bunko

南の光りを浴びて、円柱が影を石畳の上にうつしているのをみると、ふと懐しい気持が湧いてくる。古を懐しむのだ。この懐しさのなかには、さきに述べたようにささやかな憩いへの憧れがこもっている。疲れた旅人が路傍の大樹のもとに暫しの休らいを求めるように、柱というものは寄りかかるためにあるものだ。また路傍の大樹を遠くからみると、旅人の有無に拘らずそれ自身の美しさでそびえているように、円柱も離れて仰げば人臭さに関係なく荘厳にそそり立っているのだ。人為の果がかく自然を思わせるのも木造円形の故であろうか。屋根を支えるために建てた柱が、こんな美しい陰翳や習いを生ずるのを私はいつも感嘆して思うのである。

しかし柱にばかり感心しているわけにゆかないので、私は御堂へ入る。光背に千体の小仏をもつ廬舎那仏と千手観音がまず眼をひく。鑑真の率いて来た唐仏師の影響下に造顕されたと伝えられるが、それは別として、私はいつも千手観音を拝するたびに起す一つの疑問をここで述べておこう。千手観音は文字どおり千本の腕としたがって五千本の指とをもっている。体躯の左右に五百本ずつ、大きいのから小さいのまで、無数といっていいほど手がのびている。