Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
荒廃のままに放置された斑鳩宮址は、聖武天皇の天平十一年、行信法師の奏聞によって漸く復活した。現存する夢殿は幾度の補修を経てはいるが、このときの創建に成ったものといわれる。私がはじめて夢殿にまいったのは、昭和十二年の秋であったが、その頃夢殿は修理中で、周囲には厳重な柵がめぐらされ、私はその間から、ちょうどお仕置を見物する昔の人のような恰好で眺めなければならなかった。円柱はとり外され、土台は高くもちあげられて、あたかも宙につるされた骸骨のようであった。御堂の内部はうつろなまま暗黒にとざされてみえない。千三百年の古、太子が寵らせ給うた御姿を想像し、あの暗澹たる日に美しい黎明を祈念された太子が、長身に剣をしかと握りしめ、聡明な眉をあげて虚な御堂からいまにも立ち現れ給うごとく感じたのであった。
斑鳩宮を夢殿と呼ぶようになったのは、「太子伝暦」に、「太子斑鳩宮に在って夢殿の内に入りたまふ。此殿は寝殿の側に在り。諸経疏を製するに及んで、若し義に滞る有れば、即ち夢殿に入りたまふに、堂に東方より金人到り、告ぐるに妙義を以つてす。」あるいは「法王帝説」に、「太子問ひたまふ所の義、師(慧慈)も通ぜざる所有り。