Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
薬師信仰について
そういう状景を一々気にとめず、ひたすら仏を拝すればいいに相違ないが、人工人事にとかく容喙しがちなのは批評の習い性となった故でもあろうか。わずらわしいと思ったら、いっそ人間もおらず、伽藍もさだかにみえぬ夜中に、こっそり忍び訪れた方がましだろう。考えてみると、大抵の古寺記は殆ど昼の印象である。そういう自分もこの秋はじめて薬師寺の塔を仰いだ以外には、未だ曾つて夜の寺を歩いたことはなかった。昼でなければ古寺を訪れてはいけないというわけはなかろう。いつか折があったら、夜の古寺のみをかいてみようと思い、早くそこに気づかなかったのが、非常に残念に思われたのである。
何も好事癖からではない。高畑の道筋が偶然こんな感想をもたらしたのではあるけれど、根本を考えてみるに、やはり私の不信心のためであるらしい。ひそかな祈りよりも、仏像見物の心の方がまさっていたからであろう。後ほど徒然草をひらいてみた折、兼好法師の次のような言葉に出会った。
「神仏にも、人の詣でぬ日、夜まゐりたる、よし。」
――昭和十七年冬――
薬師信仰について
新薬師寺の「新」は、新しいという意味ではなく、霊験あらたかなるの意である。