Japanische Klassiker mit Furigana
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やまとこじふうぶつし
大和古寺風物誌
亀井 勝一郎
Lesen Sie 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) von 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.647 Zeichen · 215 Bildschirme
血痕のついた古い布を思わせる。金銅や木材に比べて一番弱そうな布地に、却って人間の執念は消え難く止るのであろうか。おそらく太子の妃や侍女達が、日夜念じつつ縫ったのであろうが、その一針一針に女の愛情と信仰が執拗にこもっているようにみえる。執念のこまやかなあらわれには、一種のもの狂わしささえ宿って薄気味がわるい。悲哀のために透きとおるように細く鋭くなった指が、この刺繍にまつわりついていたのであろう。真紅の布地の上を、白い炎のごとく這う指を私はいつも想像するのである。
天寿国曼荼羅の由来については、「上宮聖徳法王帝説」に次のごとく記載されてある。
「(前略)歳辛巳十二月廿一日癸酉の日、穴穂部間人の母后崩じ、明年二月廿二日甲戌の夜半に太子薨ず。時に、多至波奈大郎女、悲哀嘆息し、畏みて、天皇の前に白して曰く、之を啓さむは恐しと雖も、懐ふ心止み難し。我が大王が母王と期するが如く従遊したまひ、痛酷しきこと比無し。我が大王の告げたまふところに、世間は虚仮、唯だ仏のみ是れ真なりと。其の法を玩味するに、我が大王は応に天寿国に生れまさむ。而も彼の国の形は眼に看き所なり。はくは図像に因りて大王が往生の状を観むと欲すと。