Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
お世辞を言う中婆さん。まだどこやらに水々しいところもあって、まんざら裏店のかみさんとも見えないようでした。
「みどりさん、天ぷらを食わねえか」
「与八さん、お前がよければ何でも」
「それでは天ぷらを二人前」
暫くして、
「お待ち遠さま」
行燈の光で器を出す途端に、面と面とを見合せた屋台店のおかみさんとみどり。
「おお、あなたは伯母さん」
みどりのお松は我を忘れて呼びかけました。
「まあ、お前はお松ではないか」
屋台店の主婦も呆れてこう言いました。
「伯母さん、どうしてこんな所に……」
「お前にこんなところを見られて、わたしは恥かしい」
きまりの悪そうなのも道理、この屋台店の主婦というのが、本郷の山岡屋の内儀のお滝が成れの果でありました。
「伯母さん、ほんとに御無沙汰をいたしましたが、皆様お変りもござりませぬか」
「変りのないどころじゃない。それにしても、お前もまあよく無事でいてくれたねえ」
「わたしも伯母さんのところからお暇乞いをしてあと、いろいろな目に遭いました」
「あの時はお前、わたしが留守だものだからつい……」
お滝も、あの時の無情な仕打を考え出しては多少良心に愧じないわけにはゆかないから、言葉を濁して、