Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「まあ、なんにしても珍しいところで会いました、お前、お急ぎでなければ、わたしの家へ来てくれないか、ついそこの佐久間町にいるんだから」
こう言われてみると、是非善悪にかかわらず、この場合お松にとっては渡りに船です。
「わたしも伯母さんに御相談していただきたいことがありますから、お差支えなければ、お邪魔にあがりましょう。ねえ与八さん、この方はわたしの伯母さんなの」
「そうでしたかえ、今晩は」
さきほどから二人の有様をながめて怪訝な面をして箸を取落していた与八、引合わされて取って附けたような挨拶でした。
この伯母さんに引張られて、二人は佐久間町の裏へ来て見ると、八軒長屋の、こっちから三つ目の家。伯母は委しく身の上を語ることを避けたがっていたが、その話の筋は、山岡屋は最初、泥棒に入られ、それから番頭に使い込まれ、次に商売が大損で、とうとう瓦解してしまったということです。それから瓦解と前後して主人の久右衛門が死んだ、残るところは借金ばかり、出入りの親切な人に助けられて、今ではその人と一緒になっているということを伯母が涙ながらに語るものだから、お松もついつい自分の身の上を打明けて、邸を逃げ出して来たことまで隠すことができなくなりました。