Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
腕に覚えがあればこそ、刀の抜きばえのある相手と見込んだものでしょう。
「ゆっくりと果し合い――それは至極面白そうだ」
竜之助は、微笑を以て言下に果し合いの申込みを引受けて、その微笑の余沫を冷やかに壮士の面に投げる。壮士も剛胆なもので、従容自若として懐中から紙を取り出して、
「後日のために一札を立て置きたい、筆はないか」
竜之助は黙って、矢立を出して壮士に授けます。筆の尖を口で噛んで、壮士は紙に大きく書き出したのは、
仲裁無用
果し合い
味なことをやる。
なんにしても、ここは往還に近い。刃の音を聞いて駈けつける者のなかには、よけいなお節介が飛び出さんとも限らぬ、この札を立てて、あらかじめ予防線を引いて、一方が一方を片附けるか、双方ともに仆れるかまで、無名の師をやり通そうという準備であろう。とにかく物慣れた仕業である。
竜之助は冷然として、その書き終るを見ていると、壮士はその紙を持って前後を見廻したが、傍に大きな松の樹がある、小柄を抜いてその一端を突きさして、あとの隅を克明に松脂で押える。
「いざ、お仕度召されい」
「心得て候」
壮士は、刀の下緒を襷にする。竜之助は笠を取って、これも同じく刀の下緒が襷になります。