Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「はい」
金蔵に弱らせられているのは、お豊ばかりではなく、伯父夫婦も、あの執念深い馬鹿息子には困り切っているのであります。
「このごろは、まるで気狂いの沙汰じゃ、なんでもひどくわしを恨んで、ここの家へ火をつけるとか言うているそうじゃ」
「まあ、火をつける――どうも伯父様、わたしゆえに重ね重ね御心配をかけまして、なんとも申し上げようがござりませぬ」
「ナニ、心配することはない、たかの知れた馬鹿息子の言い草じゃ。しかし、ああいうやつが逆上ると、どういうことをしでかすまいものでもない、まあ用心に如くはなしと思うて、わしはよいことを考えた」
「はい」
「それはな、しばらくお前をここの家から離しておくのじゃ。というて滅多なところへは預けられないから、わしもいろいろ考えた上に、とうとう考え当てたよ」
「伯父様、わたしは、もうこのうえ他所へ行きとうござりませぬ、わたしのようなものはいっそ、ここで死んでしまった方が、身のためでございます、皆様のおためでございます」
お豊が死にたいというのは口先ばかりではないのです。死ねば、親にも親戚にも、この上の恥と迷惑をかけねばならぬことを思えばこそ味気なく生きながらえているので、ほんとうに自分も死んだ方がよし、人のためにもなるであろうと、いつでも覚悟は出来ているくらいなのですが、伯父は、そんなに