Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
仔細らしく筮竹を捧げて、じっと精神を鎮めるこなしよろしくあって、老人は筮竹を二つに分けて一本を左の小指に、数えては算木をほどよくあしらって、首を傾けることしばらく、
「さて卦面に現われたるは、かくの通り『風天小畜』とござる、卦辞には『密雲雨ふらず我れ西郊よりす』とある、これは陽気なお盛んなれども、小陰に妨げられて雨となって地に下るの功未だ成らざるの象じゃ」
老人は白髯を左右に振分けて易の講釈をつづけます。
「されども、西郊と申して陰の方より、陰雲盛んに起るの形あれば、やがて雨となって地に下る、それだによって、このたびの試合はよほどの難場じゃ、用心せんければならん。が、しかし、結局は雨となって地に下る、つまり目的を遂げてお前様の勝ちとなる、まずめでたい」
それから老人は易経を二三枚ひっくり返して、
「めでたいにはめでたいが、また一つの難儀があるで、よいか、よく聞いておきなされ。象辞にこういう文句がござる、『夫妻反目、室を正しゅうする能わざるなり』と。ここじゃ、それ、前にも陽気盛んなれども小陰に妨げらるるとあったじゃ、ここにも夫妻反目とあって、どうもこの卦面には女子がちらついている」