Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

十七

二人が神田明神の方へ曲ろうとすると、後ろから呼びかけるものがあります。

「もしもしあの、お爺さんにお娘さん」

あたりにあんまり人通りがなかったから直ぐに気がついて二人が振返ると、それはさいぜん、同じ店に反物の柄を見ていた切髪の女でありました。切髪の女は二人に近寄って人懐こく、

「あの、無躾ながらお前さんは山岡屋の御親類なそうな」

「はい、左様でございます、この子が山岡屋の御親類で。私は縁もゆかりもない百姓でございますが」

「そう、わたしもあの店でちょいとお聞き申しました、それでお前さん方がお困りのようだから、だしぬけに声をかけてみましたの」

品のよいわりに口の利きようが慣れ過ぎた女だと思って、七兵衛は、

「左様でございましたか……」

「わたしはね」

女はちょいと横の方を向いて、

「ついそこの横町に住んでいます者、こんなところで申し上げては失礼ですが、もしなんならそのお娘さんを、わたしがお預かり申し上げても苦しゅうござんせぬ」

「へえ、そりゃ御親切に……」

七兵衛も、あまり変った救い舟が靄の中から不意に飛び出して乗せて上げようというのだから聊か面喰って、