Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「御親切は有難う存じますが、見ず知らずのあなた様にお縋り申しては何が何でもあまりぞんざいでございますから」

「いいえ、ぞんざいというのはわたしの言うことよ。世間は妙なもので、お前さんのさっきお言いなさる通り、親類呼ばわりをして来たものを門口から追い返すものもあれば、赤の他人でもずいぶん因縁ずくで力にもなったりなられたりするものもあります。ほかにどこぞ頼る所でもおありなされば格別、そうでなかったら、ちょうど私の家が手不足で困っておりますから……」

世間にはなかなか世話好きの女もあるものだと思って、七兵衛がまだ返答もしきらないうちに、女は先に立って、

「まあまあ、わたしの家へお寄りなさい、どちらに致せ今晩はお泊りなすっておいで、ナニ、気遣いなものは一人もおりませんよ」

「それでは、せっかくの御親切に甘えまして」

七兵衛とお松は煙に捲かれて、あとをついて行くと、湯島の高台に近い妻恋坂の西に外れた裏のところ、三間間口を二間の黒塀で、一間のあいだはくぐりの格子で、塀の中には見越の松から二階の手すりなども見えて、気取った作りの家の前まで来ると女が先に格子をあけて案内した時、表にかけた松月堂古流云々の看板で、この女がべつだん凄いものではなく、花の師匠であることを知りました。