Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
こんな心持ちを、家内は哀心から私に訴えるのであった。子供を幼いときから育てれば、こうも愛が凝集するものかと、私は感動した。
日本を離れるのもよかろうが、それはとにかくとして最後にのっぴきならぬときがきたら、みゑ子の身代わりとして久子を京都へやることにしようか。と言って、私は三番目の女児の名をあげ、家内の心を試した。すると家内は言下に、それで済むことでしたら、是非それで京都を納得させるようにしてください、と哀願するのだ。
だが、実際問題として、わが子をたとえ自分の姉のところであるにしても、手離せるわけのものではない。また先方にしたところが、みゑ子が欲しいのであって、どの子でもよろしいから、子供が欲しいというわけではない。私は、父の命令を拒絶した。しかし、姉夫婦はあきらめきれず、親戚のあちこちに斡旋方を頼んできた。これに対してどの親戚も、私ら夫妻の固い信念を知っているので、その橋渡しに手を出したものがない。
四
私は、青年のころから浪費癖を持っていた。それで、故郷や東京を離れ諸国を巡歴し、家庭と共に流れ流れて歩く間に、持てるものを悉く費やし果たした。