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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

こう言って、憮然とするのであった。

頼母木は、とうとう私ら若い者から批評されてしまった。頼母木の心臓はしぶとい。

そのあとへ、社長となったのがいまの三木武吉である。

それほど、しぶとい頼母木桂吉の心臓であったけれど、三木武吉の圧倒的の心臓には敵しかねた歴史がある。それは、こんな話だ。

大正六、七年ごろであったと思う。八月の炎暑の午後、相州小田原の傍らを流れる酒匂川の川尻で、私が黒鯛を釣っていると、そこへ五十歳前後の釣り師がきて、私と並んで釣りはじめた。どういうわけか、その日はさっぱり釣れない。二人は根気がつきて、みぎわに近い砂原へ腰をおろした。そこで、私と釣り師との間に世間話がはじまった。

『こんど、牛込から素晴らしい候補者がでますよ』

という話になった。九月には、衆議院議員の選挙があるのであるから、話題は自然にその方へ移っていったものとみえる。

『どんな人物です』

『さあ、どんな人物と言っても、まだ青年なんですがね、弁護士で、まだ三十歳をでたばかりです』

『はあ、では新候補ですね。どこか特別に偉いところがあるのですか』

『無名の弁護士ですが、ひどく義侠がありましてね、貧乏人をみると、誰にでもただで弁護してくれるんです。