Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
斜酣の指図に従い、思い思いに親蜂を捜す段となったのである。楢の皮に樹膠が出ていて、そこでブーンという羽音を聞いたから忍びよって見ると、それは蜜蜂に似た虻であった。
いたいた、という声を耳にしたので走っていって見ると論愚が、栗の木で一匹の蜂を蛇の肉にとまらせている。蜂はまさしく、ラグビー模様のシャツを着ている。斜酣は、これを正銘の地蜂なりと鑑定したのである。
五人は、一心に蜂の行動を凝視した。地蜂の親は僅かの時間で、蛇肉の一塊を噛み取って林を縫って南の方へ飛び走った。すると斜酣は、蜂が舞い立った途端に懐中時計を出して時計の針と蛇の肉を無言のままで見くらべているのだ。
間もなく、蜂は帰って来た。すると斜酣は、二分――巣は近いと叫んだのである。ついで私らを自分の前へ整列させ、学校の先生のような表情でいうに、蜂は巣が近ければ三十秒、一分間位で餌のところへ飛び帰ってくる。少し遠くなると二分、三分、五分、十分もかかる奴は遠いところに巣を持っているので問題にならない。そこで、こうして時計で巣の距離を測定するのだが、五分以上かかる奴だったら、別の親蜂を捜す方がいい。