Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
斜酣は数回真綿の目標を噛ませて親蜂を飛ばせたけれど巣は甚だ近いと思うがこの樹と風では、理想通りに飛んでくれない。残念だけれど、新規の場所へ移転する、という命令を出したのである。
私らは、片手に棒にさした蛇の肉、片手に弁当をさげて、何とか学校敷地の高い塀を再び乗り越して外へ出た。
四
野道へ出た。そこは少し小高くなっていて、前の方に大根畑が展開している。三町ばかり遠くに紅葉の平林があって、その横に芒野が続いている。
ここは、障害物がなくて理想的だ、と斜酣はいうのである。五人は、また親蜂の捜索に手分けをした。こんどは路傍の榛の木の枝で、大妖が親蜂を発見した。例によって時計を出して計ってみると、六分ばかり掛かって帰ってきた。少し遠いが、一番やってみることにしようということになって、斜酣は蜂に真綿で結えた蛇の肉をくわえさせたのだ。
この蜂は、ひどく力が強い。真綿をくわえあげて巣の方角を定めるため、二、三回宙を回ったが、見当がきまると東南の方へ一直線に翔け出した。
それっ!という斜酣の下知だ。重い真綿をくわえているのだが、蜂は随分速い。五人は白い真綿の玉を追って大根畑と小麦畑の畔を夢中になって走った。