Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
通武が目を瞑って棺のなかに仰向けに臥し姿を見し時は、ほっと息はつきながら、さて偽りならぬ涙もほろほろとこぼれぬ。
涙はこぼれしが、息をつきぬ。息とともに勢いもつきぬ。夫通武存命の間は、その大きなる体と大きなる声にかき消されてどこにいるとも知れざりし夫人、奥の間よりのこのこ出で来たり、見る見る家いっぱいにふくれ出しぬ。いつも主人のそばに肩をすぼめて細くなりて居し夫人を見し輩は、いずれもあきれ果てつ。もっとも西洋の学者の説にては、夫婦は永くなるほど容貌気質まで似て来るものといえるが、なるほど近ごろの夫人が物ごし格好、その濃き眉毛をひくひく動かして、煙管片手に相手の顔をじっと見る様子より、起居の荒さ、それよりも第一癇癪が似たとは愚か亡くなられし男爵そのままという者もありき。
江戸の敵を長崎で討つということあり。「世の中の事は概して江戸の敵を長崎で討つものなり。在野党の代議士今日議院に慷慨激烈の演説をなして、盛んに政府を攻撃したもう。至極結構なれども、実はその気焔の一半は、昨夜宅にてさんざんに高利貸を喫いたまいし鬱憤と聞いて知れば、ありがた味も半ば減ずるわけなり。