Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
正勝は思いがけぬ足溜りを得た。思いがけぬ世界を発見した。そして同時に、容易にそこで蔦代の死体を発見したのだった。彼はかえって呆気に取られた。
正勝はその死体を前にしてしばらく立ち尽くした。それから彼は、落ち葉に埋められかけているその死体に手をかけて、前の姿勢から半分ほども起き返らしてみた。死体には別に、岩角での擦過傷というようなものはなかった。胸から脇腹にかけて、出血のために着物がべとべとになっているだけであった。彼はさらに、腕や脚を精細に調べてみた。やはり、腕や脚にも擦過傷はなかった。正勝がその路上から投げ込んだままどこの岩角にも突き当たらずに、直接そのLの字形の岩の上の雑草の上に落ちたのに相違なかった。
それから正勝は、その死体の胴へ自分の身体に巻きつけてある綱の一端を結びつけておいて、下りてきたときの綱に掴まって岸壁を登っていった。そして、崖の上に登り着くと、道の前後を注意深く見た。しかし、普段からあまり人通りのないその道には、夕陽にぎらぎらと輝きながら、紅や黄の葉がばらばらと落ち葉の海の上に散っているだけであった。
正勝は綱を手繰った。彼の掌の皮が剥けてしまうほどの重さをもって渋りながら、蔦代の死体は崖の上に揚がってきた。