Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
しかし、その否やなきご承諾をうる手段に、あの長官の和子を、李逵の手に預けてつい死なせてしまったのは、何としてもちと呉用の誤りじゃったな。……軍師にもまた智恵の行き過ぎはあるものか。……」
と、やおら長い袂を揚げて奥なる一閣の人々をさしまねいた。
おうっと答えて、そこからこなたへ歩いて来る三人を見れば、紛うなき昨日の呉用であり雷横であり、また一ばんどんじりから、のそのそ来るのは黒旋風の李逵だった。
呉用と雷横とは、こもごも自分のした偽態を詫び、またかさねて、梁山泊一同の希望を切にくりかえした。ともに、かたわらの高士もそれをすすめるし、ここにいたっては、朱同もついに、その熱意に、冷ややかではいられなかった。
「わかりました。もうぜひもない、梁山泊入りと腹をきめましょう。……ですが、一条件がある。それは叶えて欲しいんです」
「おっ、おきき入れ下すったか。やれかたじけない。して一条件とは何ですか。この呉用一存で出来ることなら何でもしますが」
「ほかでもありません。ご三名お立会いの前で、そこにおる李逵と決闘をさせて下さい」
「ほ。それはまた、いかなる意恨で」
「ひとり自分の意趣だけでなく、たとえ牢城の長官でも、この流囚の身を一時たりと温かに養ってくれたあの人の恩顧を踏みにじッては去れません。