Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
かくまでの取りなしに会っては、朱同もなおそれでも不服とはいえなかった。ではそうしてと、やがて主客五名、一閣のうちに卓を囲み、
「いずれ次には、お預けの黒猫を、迎えに来ずばなりますまい」
などと、大いに笑い合った。
いや李逵はムクれた。無知だの野蛮だの黒猫だのと、さんざんな玩具である。忌々しさよと、朱同を睨むと、朱同もまた、胸中千丈の焔がほんとにはまだ鎮んでいないので、ぐッと睨み返す。心火の闘いだ。それへ酒が注がれる。物騒なことといったらない。
「これは」
と気づいたので、館の主は、侍女にいいつけて、弾琴をとりよせた。主は七絃琴のたしなみを持ち、朗詠が上手であった。微吟、風流、おのずから荒ぶる男たちをも優しくなだめた。
「はははは。つまらんお耳よごしじゃったな」
一曲を終って、また酒になる。朱同はそこで、さっきから独りしていた自問自答を率直にきいてみた。いったいこの地方などにはあるはずもない宏壮萃麗なこの邸館は、どういう由緒の家なのか。またお主は何者なのか、と。
そのつぶさを知って、朱同はあらたに、一驚を喫した。
ここの家は、五代の末期、宋の太祖の時代に地方へ降りたもので、祖先の柴世祖は、帝位にあった幼君だった。