Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
もう勝手は知っている紫虚観の門、松鶴軒の廂。そっと、李逵が法院窓の障子に舌で穴をあけて内を覗いてみると、なんと、この森沈たる深夜なのに、羅真人はなお、椅子に端座したままであり、唇に玉枢宝経を小声で誦している態なのだ。
薫々と匂う糸は香炉のけむりか。二本の赤い絵蝋燭の灯があかあかと白髯の横顔、頬のクボを描いている。李逵はあさはかにも思い込んだものだった。――この糞仙人さえ亡き者にしてしまえば公孫勝もいやとはいわないはずである――と。
だから彼の眼気たるやまさに殺気の炎で、そこの窓障子を蹴やぶるがはやいか、
「けだもの。化ケの皮を剥ぎさらせ!」
と、内へ躍り込んでゆき、かっと、薄刃の斧を振りかざすやいな、羅真人のあたまをめがけ、その脳天から真二つにたちわってしまった。
「はははは。なんてえ応えのねえ化け物だろう。おや、仙人の血は白いのかな? まるでこりゃ水じゃあねえか。うんわかった。ろくな物は食っていず、一ぺんも女を抱いていねえせいだろう。……どれ行くかな」
すると、物音を知ったのか、廊の彼方から、青衣の童子が飛んできて、ひらと彼の前にたちはだかった。